デザイン業務において必ず発生するのが「修正依頼」。
この対応は単なる作業の延長ではなく、クライアントとの関係性を築くうえで重要なプロセスです。
対応の仕方ひとつで「またお願いしたい」と思ってもらえることもあれば、逆に信頼を損ねてしまうこともあります。
本記事では、修正依頼をスムーズに進め、クライアントから喜ばれるデザイナーになるためのポイントを整理しました。
1.修正依頼を“前向きに受け止める”姿勢が信頼をつくる
修正依頼は「否定」ではなく「改善の要望」です。
デザインをより良くするためのプロセスであり、クライアントの期待が込められています。
そのため、依頼を受けた際には「ありがとうございます。より良い方向に改善していきましょう」といった前向きな姿勢を示すことが大切です。
こうした姿勢はクライアントに安心感を与え、「この人に任せて良かった」という信頼につながります。
ここで大切なのは感情を入れ込まないこと。特に駆け出しのころは自分を否定されたような気分にもなりがちです。
手間暇かけて考えたデザインであればあるほど、いろいろと思うことも出てきますが感情と事実を切り分けることは意識しましょう。
クライアントは否定しているのではなく、修正を依頼しているだけです。修正内容を正確に把握し、指摘された点について再考することと、そもそもなぜそうした指摘が発生したのかにも考えを巡らせることも大切です。
2.修正内容を整理し、意図を正確に把握する
修正依頼は必ずしも明確に言語化されているとは限りません。
「もっと柔らかい雰囲気に」「印象を明るくしてほしい」など、抽象的な表現も多く見られます。
その場合は、
- 修正点を箇条書きにまとめる
- 優先度を確認する
- 必要に応じて参考イメージを依頼する
といった方法で、依頼内容を具体化することが重要です。
意図を正確に把握するプロセスを経ることで、双方の認識のズレを防ぎ、無駄な往復を減らすことができます。
クライアントとデザイナーの間には基本的には共通言語がありません。デザイナ―側の言い回しで一方的に伝えてもすれ違ってしまうことも多いもの。抽象的な表現が一体なにを意図しているのかを汲み取るのは難しいですが、そのためにもクライアントの好む傾向を自社サイトなどでリサーチしておくことも必要です。
3.初動のスピードが安心感を与える
修正依頼への対応は、スピードが大きなポイントです。
実際の作業は後日になるとしても、「依頼を受け取りました」「〇日までに対応いたします」といった初動のレスポンスがあるだけで、クライアントの安心感は格段に高まります。
対応が遅れると不安や不信感につながるため、まずは迅速に受領の意思を伝えることを習慣化しましょう。
4.修正回数を減らす仕組みを整える
修正依頼の回数が多いと、双方にとって負担となります。
そのため、できる限り修正を減らす仕組みを整えることが望ましいでしょう。
具体的には、
- 初回提案で複数パターンを提示する
- 納品前にデザイナー側でチェックリストを用いる
- 修正は「まとめて依頼」してもらうよう促す
といった工夫が有効です。
このように事前の設計を工夫することで、やり取りの効率化と品質向上の両立が可能になります。
また事前のヒアリングの段階でイメージをすりあわせておくことで、のちのちの修正を減らすことも可能です。
ヒアリングシートを充実させる、必要であれば対面またはオンラインでの打ち合わせ回数を増やす、店舗なら実際に足を運ぶなどデザイナー側から距離を近づけていく工夫も必要だと思います。
まとめ
修正依頼は避けられないプロセスですが、対応の仕方によって「負担」から「信頼構築の機会」に変えることができます。
- 前向きな姿勢
- 意図を整理する力
- 初動のスピード感
- 修正を減らす仕組みづくり
この4つを意識すれば、修正依頼のやり取りそのものがクライアントからの評価につながります。
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